ドープアブストラクト、フリースタイルMCバトル。両極が交差する重要盤。エリアコード0853。山陰に位置する雲出ずる国。この街の歴史上初めて「一人のMC」によるフルアルバムが2013年遂に全国リリースされる。ULTIMATE MC BATTLE島根大会覇者、全国決勝BEST8の実績を引っさげ、雲出ずる国から「Kowree」が遂に始動する・・・
この場所には無いチャンスを掴むべく県境を飛び越え、全国のSTAGEへ挑み続けてきた突然変異かつ絶滅危惧種のMC、Kowreeによる1stALBUM。全楽曲のトラックを手掛けたのは、Kowreeと同じく島根県は松江市に店舗を構えるOTO RECORDSのオーナーであり、説明不要のMC FREEZを迎えた1stアナログ「流儀」でその名を一気に高めた山陰を代表するトラックメーカー、符和。アブストラクトな世界観を得意とする符和による、従来のHIPHOPとは一線を画す斬新なネタ使いやアイデアから生み出されるトラックが、Kowreeの「伝わる」事を前提としたメッセージ性の強いストレートかつひとクセあるリリックと時に溶け合い、時にぶつかり合う事によって、文字通りこの二人でしか作り得なかった唯一無二のHIRHOPが完成した。環境や戦い続ける孤独に正面から向き合う事によって見出した憤り、矛盾や葛藤、弱さ、誇り、挑戦、僅かな理解や活路… タイトなライミングと共に吐き出される様々な感情は、彼と同じ様に今この瞬間を戦っている者の鼓膜に突き刺さるはずである。またトラック、スクラッチ、ジャケットデザイン、ミックスダウン、マスタリング、PV…関わる全ての人物が彼と同じく島根の人間であることから「100%島根産HIPHOP」とも呼べる作品である。「Cloud」=「雲」出ずる国から、「クラウド」=「群衆」から抜きん出る為、「Straight Out From Cloud」と名付けられたアルバムと共に、この街の代表に名乗りを挙げる。
TRACK LIST :
01.STEP INTO THE CLOUD(INTRO)
荒々しく鳴り響くバスドラが不穏な幕開けを演出し、この後に待ち受けるであろう波乱の展開を予想させる。
02.覚悟
無機質なシンセ、声ネタとファットなドラム、ベースラインが印象的なトラックの上、「敵も味方さえも己一人、選択コマンドは攻撃のみ」
と いうラインが象徴するように、彼の独立性や行動あるのみという姿勢と信条を宣言する。PV曲予定。
03.LOSER(a battle theme)
怪しげに響くギターの音色と時折散りばめられた効果音が流れるように展開する。Kowreeの代名詞で原点とも言えるMCバトルを基軸に
、戦い続ける理由や心情、情景を挑戦者の視点からスリリングに描写する。
04.Cloudy Day
前曲までの流れからは一変し、遅めのBPMにねっとりと絡みつくような上ネタが印象的な符和の十八番ともいえるドープアブストラクト
ビーツ。トラックと溶け合うように力の抜けた気怠いフロウと共に、安易な二極化やカテゴライズに異を唱えることで自身の立ち位置や
スタンスを明確にする。
05.interlude
06.ONE TIME 4 YA MIND
規則的で不穏なエレピのワンループと空間の奥にまで響き渡るスネアが 中毒性を生むドープトラック。縋る栄光の残骸、過去を磨き上げ
崇拝、 飾った言葉不似合い、積み上げた嘘の崩壊…。「今」「この場所」で「己のみの実力」と向き合わず、「過去」や「中央」「他人の力」に
縋りつく精神性を煙たいフロウであぶり出し、 ONETIME,TWOTIME…というカウントと共に追い詰めていくアルバム中最も攻撃的な一曲。
07.INDEPENDENT
DJ DAMAによる感情剥き出しで激しいスクラッチから始まるこの曲で は、敗北や己の無力さを知り、個としての自分に自問自答し、それでも なお戦い続ける
決意を示す。初期から歌われ生き残っている数少ない曲でもある。
08.Ready To Die
アルバム中、最もBPMが早く駆け抜ける様なトラックの上、総人口70万人という環境を言い訳にせず、むしろ武器として捉え見出した僅かな活路から燃え
尽きるまで戦う覚悟、典型的な前例への決別を提示する。スクラッチには符和の主宰レーベル√9よりGEN DEGAWAを迎え、サンプルに広島のアンダー
グラウンドを牽引するMC、大将 による「置かれた環境、罪はなくて」から始まるワードを使用すること により楽曲の方向性をより強固にしている。
09.interlude
10.午前5時
まるで吹き荒ぶ嵐のようなノイジーな上ネタが後ろから迫ってくる様に ループすることによって焦燥感を創り上げる一曲。イベント終わりの午前5時から時間軸
を逆流しながら、続く事への葛藤や自身の音楽やステージに向き合う心構え、さらには日常からの音楽に対する静かなる情熱を畳み掛けるような言葉捌きで
表した決意の一曲。
11.ナイトフライト
前曲までのシリアスな空気からは一変し、メロディアスな上ネタと疾走 感のあるトラックの上でHIPHOPとの出会いや始まり、道中でのすれ違いや再会を
ドラマチックに歌い上げるアルバムのハイライトかつアンセム的な重要曲。KowreeのバックDJも務めるDJ KUWAによる8小節ALL日本語による
スクラッチがこの曲を classicへと仕立て上げた。
12.AFTER RAIN
心温まるシンプルなピアノネタの上、これまでの全てのストーリーを包 括する様な語りかけるラップでアルバムを締めくくる。全てを洗い流す雨が止み、雲一つ
無い青空を思い起こさせる事により 「Straight Out From Cloud」と名付けられたストーリーを完結へと導くと同時に旅立ちやこの先に続く物語をも予感させる。
PROFILE :
島根県を拠点に活動する現在進行形のMC。現時点、 決して長いとは言えないキャリアの始まりは、県外のMCバトルでの優勝という異例の形だった。現在、 国内最大規模で開催されているMCバトル、ULTIMATE MC BATTLE(UMB)初挑戦となった2010年広島予選ではいきなりFINALISTとなり県内外に強いインパクトを与えた。その後もチャンスを求め県境を越えて全国各地を戦い歩き、時に勝利を捥ぎ取り、時に無様に散り ながら、2012年初開催されたUMB島根予選でチャンピオンとなり、同年末に恵比寿リキッドルームにて開催された決勝大会では無名のダークホースという立場から下剋上を成し遂げ、BEST8に駒を進める。その戦い様は「UMBの歴史を塗り替えるパフォーマンス」 「大会中最もプロップスを得たMCの一人」と称された。LIVE、オリジナル楽曲では、「伝わる」事を前提としたストレートな中にひとクセあるメッセージ性の強いリリックを幅広いBPMに緩急をつけたフロウで散りばめ、時に煙たく攻撃的に、時に語りかける様に聴く者の鼓膜に訴えかける。時流や周囲に流されず真摯に自身の音楽に向き合い、時に泥臭いまでの情熱的なパフォーマンスは見ている者の胸を熱くさせる。「沈黙の扉がようやく開くぜ、意志を確かめて再度立つ始発点」…出会い、共鳴、勘ぐり、 BEEF、決別、孤立、弱さ、挫折、屈辱、敗北、進化、挑戦。全ての感情と経験を武器に換え、2013年満を持して1stALBUM「Straight Out From Cloud」をリリース。
■ 2013年3月13日発売
販売価格 | 1,980円(税180円) |
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型番 | CD_KO055 |