当初2枚組を予定していた "SAX BLUE" だったが、その2枚目が自主制作プレスにて発表されることに。70分以上にも及ぶ、セクシーに、ハードコアに、ソウルフルに、そして最高にクレイジーに...。
KILLER-BONGは実はとてもポップなアーティストだ。ヘッドフォンをつけず、ダビーで破壊的なエフェクトを駆使しながら、予測のつかないフリーキーなミックスを繰り広げる、あのDJを体験したことがあるリスナーならば知っているはずだ。それは、あまりにも自由で、抽象的で、眩暈のするような体験だけれど、同時にそのプレイはセクシーで、夜に集うダンサーたちを濡らし、楽しませ、ぶっ飛ばせる。そこには、歓待の精神がある。グッチ・メインからスタートした、ある夜はハードコアだった。また、混沌としたエフェクトの渦の中で、ジャザノヴァやディアンジェロをスピンした、あの日の夜はソウルフルだった。自身のオリジナル・トラックだけでやり切った別の夜はずば抜けてクレイジーだった。そして、このMIXCDはジャズだ。自分の曲を一切使っていない。もちろん、ヘッドフォンを使わないで録音したのだろう。ドラムンベース、モダン・ジャズ、ボッサ・ジャズ、スピリチュアル・ジャズ、フュージョン、フューチャー・ジャズ、ポスト・ダブステップ、ありとあらゆるジャズが飛び散っている。KILLER-BONGはここでジャズをスピンしているのではない、ジャズをプレイしているのだ。いつも通り、セクシーに、ハードコアに、ソウルフルに、そして最高にクレイジーに!
(text by 二木信)
■ 2012年9月1日発売
販売価格 | 1,650円(税150円) |
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型番 | CD_KI119 |