これは今までありそうで無かったミックスCDである。是非多くの音楽ファンに聞いていただきたい1枚だ。最後にジャケットを手掛ける大阪、香川、韓国等で活動するMEET(1UP)のアートワークの素晴らしさも忘れてはいけない。
(newtone records / 土橋)


　ヒップホップを絶対的な基盤にそこから派生するブレイクビーツ、アブストラクト、ダブ、エレクトロニカ、ダウンテンポなどを抜群のセンスとスキルで一つのグルーヴに纏め上げる、大阪の次世代を担うDJ ENDRUN。DJ TUTTLE率いるNODEコンピレーションalbumに参加し、多彩なMCにビートを提供するなど、ビートメーカーとしてもその才能を遺憾無く発揮している。そんな彼の2枚目となる注目のミックスCDは、1枚目をご存知の方にとっては彼のまた違う側面を垣間見れる作品となっている。所謂ヘッズと言われる大きな括りの 香りを残しながらPrimal ScreamからMr.ScruffやSCUBAらの近年リリース作品、日本人アーティスト音源までを一定の目線でセレクト。 PORTISHEADで始まる一貫した世界観の中ではLOOT PACKですらいつもと違って聞こえる。

　中盤から後半に掛けてはダウンテンポ、ダブからJEREMY DUFFYによる2つのプロジェクトDUFFSTEP、DUFFDISCO、更には1000NAMES等をブレイクビーツの延長戦上に浮かぶビートダウン的解釈で嫌味なく自分の世界へと招きいれ、アウトロにレペゼン大阪のKROUD(MAD S/LowClassSet)Exclusive音源で自分の立ち位置を表現。スムースなミックスや展開、ちょっとしたギミックも彼のセンスを感じさせるいいスパイスになっており、土俵から受け継いだ大阪の地下水脈の流れを今の音源を取り 入れながらDJ ENDRUNの一つの世界として表現した素晴らしい作品である。UKベース・シーンの影響を強く感じながらも他のアーティスト達のようにハイブリッドな音に走るのではなく、そんなハイブリッドな音源ですら土臭く、ロウファイに聞 こえてしまう一貫したENDRUNの世界。そこにはこんな聞こえ方もするんだという新しい発見すら待っている。



PROFILE :
　2001年よりDJ開始。2003年よりBEATMAKE開始。2011年、3月NAGAN SERVER主催レーベル　MONO ADAPTORによる Free download beats 11Traning参加。4月OILWORKS TECHNICS OSAKA出演。「JAB/Untitled」「HOT CONEXTION CREW/RED ALBUM」 track提供。9月Lord Finesse Japan Tour、ONRA Japan Tour出演。10月発売MC STATE(神戸)アルバムtrack提供。現在 関西圏でのC-L-C(ex.Coe-La-Canth)、MAD S(大阪)のLive DJ。オリジナル音源製作中。

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