ブラックスモーカーのBLUE BERRYの新作ミックス『JAZZ DOZE』は、ジャズをセレクトした、だけでなく、ジャズ解釈であり、ジャズ的にプレイするDJの70分あまりの記録だ!!
『JAZZ DOZE』というタイトルだが、この70分あまりのMIXCDはジャズに縛られていない。というよりも、黒煙集団、ブラックスモーカーのBLUE BERRYの“ジャズ解釈”だ。いくつかの特徴がある。列挙してみよう。1.米国南部のアーシーな音の香りがする。2.つまりファンクにしろジャズにしろブルースが基盤にある(リロイ・ジョーンズ=アミリ・バラカのクラシックな音楽評論「ブルース連続体」を読み直したくなる)。3.ブレイクの上でホーン・セクションすなわち管楽器が躍動したり気怠いユニゾンをかましたりする楽曲が多数ある。4.スティーヴィー・ワンダーの名曲「Superstition」のめっちゃカッコいいカヴァーが収録されている(私の無知ゆえ誰のカヴァーかはわからない)。5.トム・ウェイツめいたエクスペリメンタルなブルースとロックを感じる瞬間が多々ある(彼の曲がテーマソングになったHBOの傑作ドラマ『THE WIRE』を思い出す)。6.そしてキャリア初期にターンテーブリズムの技を磨いた経験を持つDJのスキルとエフェクターを駆使し、それらの楽曲群を即興的になかば強引に(それがいい)結びつけていく。つまり使い古された表現で恐縮だが、しかし事実そうだから書くが、BLUE BERRYがリアルにジャズをしている。これは実験的なMIXCDだ。私が、サンクラに上がるミックスだけでなく、MIXCDというフィジカルなメディアをいまだに重宝する理由はこういうミックスとの出会いにある。流行や時流とは離れた心の状態でレコード屋やCD屋でディグっている時に芽生えた好奇心が新たな音の旅の出発点になるのと同様の貴重な体験を与えてくれるからだ。(二木信)
PROFILE :
唯一無二の黒煙集団ブラックスモーカーの最もアレ好き。異端DJとして通算11枚ものMIX CDを出し続け、カルト的人気を誇る。ぶっといベース、深く広がるエフェクト、サウンドシステム、カルチャー、タフでクレイジーな精神がどくどくと脈打つリズム&サウンドのダブで襲いかかる。時にHGIPHOP、JAZZ、SOULなどでサウンドフリークをRETOXさせる。
■ 2020年11月4日発売
販売価格 | 1,650円(税150円) |
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型番 | CD_BL131 |