Coffee&Cigaretts Band(以下C&C)によるMIX CDシリーズ“Show In Blend”、今回は東アフリカのエチオピア音楽をとりあげます。
なぜエチオピア音楽なのか?
みなさんはMulatu Astakeというエチオピアのミュージシャンをご存知でしょうか。
サンプリングネタの1つとして90年代中頃からMulatu Astakeのレコードはごくわずかであるものの、HIP HOP系のDJ/Producerに知られており、Kensei氏はC&C結成以前からすでにMulatu Astakeのレコードを使ってトラック制作を行っていました。
また、C&Cとして活動を開始した2006年頃、ユニット名の由来にもなった映画「コーヒー&シガレッツ」のジム・ジャームッシュが監督した映画「ブロークン・フラワーズ」が公開されましたが、その映画のワンシーンでもMulatu Astakeの音楽が使われており、映画を観た際にはこの曲のなんとも懐かしいような美しいメロディが自分の心に強い印象として残っていました。
そんな折、自分が働いていたレコードショップで偶然にもその曲が入ったレコードをゲットすることが出来(それはMulatu Astatke Featuring Fekade Amde Maskal Ethio Jazzと書かれたレコードだった)、とても嬉しくなって、早速このレコードをお店でKensei氏にオススメして2人の間で共有しました。
2000年中頃、加速する東京のスピード感についていけないと感じていた自分にとってEthio Jazzのテンションがとてもしっくりきたこともあり、Jazzを基調としながらも独特で新鮮なメロディとリズムを持つ心地良いEthio Jazzグルーヴにハマっていきました。
Kensei氏もそのEthio Jazzの持つグルーヴ感を気に入ってたようで、よくDJでプレイしていました。
自分にとってはMulatu Astakeのこのレコードは2人を繋ぐきっかけでもあり、その後のC&C結成にも影響を与えている1枚だと思っています。
そして今から1〜2年前、Kensei氏と長年交流の深い大分Ra’s Den Recordsの店主である御手洗氏がエチオピアに買い付けに行くという知らせを聞きました。それと同時期に自分もたまたま森靖弘氏というエチオピアの音楽に魅了され現地にわざわざレコードを買いに行ったという情熱のある男と知り合いました。エチオピア音楽に魅了されて現地に行ってしまう人が偶然にも周りに2人もいるなんてとても不思議に思えました。(なんだか必然のようにも)
アフリカの中でもなかなか知ることの出来ないエチオピアという国の様子を現地に行った2人から教えてもらい、レコードを聴かせてもらう中で、今まで聴いたことのないエチオピア音楽の幅の広さ・豊かさに触れ、C&Cの中でも自然とエチオピア音楽に対する熱い想いが生まれていました。そして、Ra’s Den RecordsとC&Cで協力して音源をMIXして形にしましょうという話になり、現地で大変な苦労をして買ってきたレコードの中から今回、Traditional・Jazz・Funky Grooveのエッセンスを抽出し、新たにEDIT&MIXを加えて作り出されたRa’s Den RecordsとC&Cによるスペシャル・ブレンド“Show In Blend Ethiopia”が出来上がりました。
(御手洗・森、両氏によるそれぞれの視点で書かれたTEXTも素晴らしいので是非読んでいただきたいです。)
アフリカ大陸の中でも独自の文化を守り、西洋や中近東の音楽を取り入れながら発展していった豊かなエチオピア音楽の香りを“Show In Blend Ethiopia”を通じて少しでも感じとっていただけたらありがたいです。
是非聴いてください。
最後にこのCDを作るきっかけになったRa’s Den Records御手洗氏、森氏、Mulatu Astake、エチオピア音楽、そしてKensei氏に感謝します。
electric roots相良
販売価格 | 1,650円(税150円) |
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型番 | CD_CO096 |